第29番札所 松尾寺

山号青葉山

■本尊:馬頭観世音菩薩

■開基: 威光上人

■開創年:慶雲5年(708) 

■住所:京都府舞鶴市松尾532

■御詠歌「そのかみは いくよへぬらん たよりをば ちとせもここに まつのをのてら」

■西国観音札所中、本尊が馬頭観音というのはここだけである。不空絹索観音の南円堂、准胝観音上醍醐寺とともに珍しい。しかも、松尾寺のご本尊は、三面八臂忿怒(ふんぬ)像で、邪心や的仏敵に対する怒りを表し、交通安全から人生往来安全に御利益があるという。

■お寺の縁起は次のとおり。若狭富士ともいわれる青葉山の美しい双峰をみて、祖国の馬耳山の霊峰を思い浮かべる。二つの峰が馬の両耳に見える。こここそが霊地であると考え、山頂を目指して上り、中腹の松の大樹の下で法華経を読みながら祈っているうちに、馬頭観音を感得し、庵を結んでお祀りしたのがはじまりという。

青葉山の中腹に位置するこのお寺は、山の高低を巧みに利用し、老樹、大樹の中に、本堂をはじめ仁王門、大師堂、地蔵堂など点在している。

★★一口感想★★雨の中の参拝であった。秋雨というところか。真向かいの瀧、遠い山、白雪、池、白萩、詩情にあふれ、感傷的になったものである。「ここで一句」…「白萩の しきりに露を こぼしけり」(正岡子規