第32番札所 観音正寺

山号:繖(きぬがさ)山(やま)

◆本尊:千手千眼観世音菩薩

◆開基: 聖徳太子

◆開創年:推古13年(605) 

◆住所:滋賀県蒲生郡安土町石寺2

◆御詠歌「あなとうと みちびきたまえ かんのんじ とおきくにより はこぶあゆみを」

◆本堂の建っている繖(きぬがさ)山(やま)は、通称観音寺山と呼ばれ、標高は432.9mである。本堂から上に上ると巨岩が、奇岩が累々と並ぶ。そこに奥の院がある。そこには五体の磨崖仏が刻まれている。平安時代の作とされる。現在の本堂は、明治15年に彦根城の欅御殿を拝領して移築したものである。

◆お寺の縁起は、聖徳太子が近江の国を遍歴したとき、葦の繁る湖の中から人魚が現れ、「私は生前、殺生をこととし、仏法を信じなかったため、このような姿になり果てました。何とか私をこの苦道からお救いください」と哀願するので、太子が建てた寺が、この観音正寺であるといわれている。

★★一言感想★★31番札所の長命寺とは車で1時間も離れてはいない。例の「安土城」の町にあるお寺である。このお寺には、箸供養というのがあるらしい。昔から箸には霊力があると信じ、これを大切にしてきたらしい。箸を粗末に扱う家は滅びるともいわれている。しかし、故人の箸や、古くなったり、折れたりした箸の処置には困る。これらの箸に感謝し供養して護摩木とともに焼納するのが箸供養であり、毎月17・18に行われる、とパンフレットには書かれていた。なるほど……。