人並みの道は通らぬ桜見かな<関寛斎>

城山三郎氏の「よみがえる力は、どこに」あったものである。大変気になったことばであったので、記憶に残っている。城山氏の持論である「組織」に従うことが大嫌いということから、人間の生き方について好感(?)をもつ関寛斎という軟着陸でない老人の生き方<軟着陸をしない人生>という見出し項目で紹介している。
関寛斎、彼は徳島の中心部で医者をしていたが、明治35年72歳で北海道陸別へ移住、一開拓民として野垂れ死に同然<本当は自殺>の生活を送った。自殺は敗北ではない、と城山氏はいう。「人たるの本分」「やるべきことをやった」凛烈な思いから来た「死」だという。その彼が残した俳句である。